銀 龍 物 語 Epi.18 日本の印象

副総経理
法律部門責任者
訴訟弁理士 丁 文蘊

                                    

 わたしは、Dragon IPに入所してすでに11年、これまでに2回の日本出張を経験しました。この場をかりて、そのときの日本の印象を紹介させていただきます。

印象1:てきぱきと早足
 日本に到着したばかりの頃、街は大勢の人でにぎわっていましたが、どの人もみな「てきぱきと早足」だと感じました。

 同僚とともにクライアントを訪問する途中、その「てきぱきと早足」の理由の一つがわかったような気がしました。日本では、家から出発した人たちはみな頭の中または手の中に電車の乗車・乗換えの時間を持っており、時刻表を把握していれば目的地に予定どおりに到着できます。

 時間が決まっているので、途中で気持ちをゆるめたり遅れたりすることはできないので、自然に「てきぱきと早足」で道を行くという習慣が養成されたのかもしれません。

印象2:友好的で親切
 2回目に日本に行ったとき、たしか晩秋でしたが、わたしと同僚女性(Epi.11の王立傑)は空港を出て何度か乗換えをしてホテルの最寄り駅に到着しました。

 駅を出ると、ぱらぱらと小雨がふっていました。そして、二人ともホテルの方向がまったくわからないという状況におちいりました。わたしたちは、キャリーバックを引いて駅の向かいの商店街で道をたずねることにしました。

 同僚は、留学と仕事で合計8年も日本で生活した経験があります。同僚は、ちょうど通りかかった、表情が少し厳しい中年男性に道をたずねました。道をたずねた瞬間に、その方の表情がやわらかくなり、親切に同僚の話を聞いてくれました。

 そして、その方は、雨の中、早足で向かいの駅に向かわれました。同僚によれば、その方もホテルの場所を知らなかったのですが、わたしたちが大きなキャリーバックを引いていたため、わたしたちの代わりに駅まで行って駅員さんにホテルの場所を聞いてくれたのでした。このようにして、その方の親切な手助けのおかげで、わたしたちはその後スムーズにホテルに到着することができました。

 このような友好的で親切な方には、日本でのその後の移動中にも幾度となくお会いし、助けていただきました。

 例えば、駅のホームの売店の方です。おいそがしい様子でしたが、わたしたちが路線についてお聞きすると、すぐに手を止めて、あらかじめ準備してあった英語、中国語、韓国語の路線図の資料を取り出し、わたしたちに親切に説明をしてくれました。世界各国からの旅行客に対して道順を教える専門のガイドが彼女の仕事ではないかと思わせるものでした。

 ほかには、別の日に、わたしたちは友人と某駅のE出口で待ち合わせをしましたが、その駅が非常に大きく、わたしたちはいくら探してもE出口を見つけることができませんでした。そのとき、柱のそばに立っている長髪の若者が目に入り、新聞を読んでいるところでした。

 その若者にE出口の場所を聞いてみると、彼は、上に掲示されている掲示板を見ながら考えて「E出口は見つけるのが確かに難しいです。わたしの電車までまだ15分あるのでE出口まで一緒に行きましょう。」と言ってくれました。わたしたちは彼に「アリガトウゴザイマス」を連呼しながら同僚を真似て何度も何度も頭を下げながら彼と一緒にE出口に行きました。

 これらの出来事は東京で経験したものですが、わたしたちが出会ったのは街中の普通の方々でしたが、その方々は日本が友好的で親切であるということを私に強く強く印象づけました。

印象3:地味な色を好む
 もう一つ印象深く感じたことは、日本では大部分の方が地味な色を好むということです。

 街ではみな地味な色のコート、スーツを着ており、クライアントの工場でもみな地味な色の制服を着ていました。鮮やかな色があまり好きではないように見え、雨の日の傘も大部分が無色透明のビニール製でした。

 中国のカラフル、色とりどりに慣れていたわたしでしたが、日本に滞在してから、地味な色も大好きになりました。

 日本でのいくつかのシチュエーションは、わたしにとって忘れられないものになっています。

 わたしは、Dragon IPの仕事を通じて、てきぱきとして親切な日本のみなさまに、Dragon IPの誠実さ、親切さ、専門性を感じていただけるよう努力していきたいと思います。


                                 以上
                    (銀龍物語Epi.18  おしまい)